2019年のシェムリアップ(久しぶり)とバッタンバン①
10連休の日本を脱出
4月終わりから5月ごろのカンボジアは、最高気温35〜38℃の日が続く。ふー、暑っ。
めったにない事情でゴールデンウイークが“10連休”になったのを受け、だったらということで決めたのがこの旅だった。チケット争奪戦が激しいせいで、成田を夜に出発→日付が変わる頃にベトナムのホーチミン着→翌朝の便でカンボジア入りという、なかなか変則な乗り継ぎ。タンソンニャット空港の“スリーピングソファ”は、思った以上に寝心地がよかったのでした(写真撮るの忘れた)。
シェムリアップは7年ぶり。初めてアジア一人旅を体験した地で、あれから数えてもう14度目だ(すべてインドシナ半島で、我ながら偏食がひどい)。
毎度おなじみ、トゥクトゥクのおっさんの背中 (^^) で、“旅に来た”感が盛り上がる。
街は相変わらずの賑わい。まずは空芯菜をいただこうかな。※このシリーズ、写真がどれも赤っぽくて申し訳ないっす。
ついにプレアヴィヒアへ
今回はアンコールワットには行かない。見たいのはただ一つ、プレアヴィヒアだ。
それはなに?とおっしゃる方もいるだろう。海抜620メートルという山の上に建てられたヒンズー教の寺院。9世紀建立だというから、アンコールワットよりさらに古い。そして絶景好きの自分としては、ずっと気になっていた場所。
(地図)masuko22.com/prea/ より引用
この遺跡の帰属をめぐって国境紛争が起き(一般人に死者も出た)、つい6年前までタイの軍隊が実効支配していたが、国際裁判所の判決が出てから、ようやく一般の観光客も安心してカンボジア側から訪れることが可能になったというわけ。
チャーターした車がいくつもの村を抜けて進む。
山のふもとのチケットセンターで10$払うと、バイクの兄ちゃんがけっこうな急坂を駆け登って、寺院の入口まで乗せていってくれる。
参道には、わずかに残るリンガ(男性器の像)。
登ってゆくと、半壊した寺院が姿を現す。この遺跡が世界遺産に登録されるとき、タイ側が嫌がらせでこうした、との説あり…。
それはさておき、何の建設機械もあるはずのない9世紀に、どうやってこの石材を山頂に運んで来られたというのか? 未だ解かれないミステリー。
そして、登り切ると…、
絶景。
天候上、霞みがかかってしまったのと、持っているタブレットのカメラ性能が低いせいで、大地がギリギリ見えるかどうかの写真になった点は残念至極 (?_?) くそぅ…。まぁ、この眼で見られたのでよしとしよう。
シェムリアップからは遠い(片道3.5時間!)ので、時間もお金もずいぶんとかかる。誰にでも勧められるかと言えば、そうはいかない。1週間以上の時間的余裕があって、アンコールワットの遺跡群に少し飽きたなら候補の一つにどうぞ、という感じではないでしょうか。
ところで、余談をひとつ。山から降りる際に道を間違えてタイ国境側に出てしまった。そこには、軍服(?)を着てライフルを肩に下げた警備隊のおじさん二人。“ここから先はタイランド。来てはならん”と厳しい顔で通告してくる。
…が、“帰り道がわかりません”と英語で言うと、“あの石段をもう一回登って左だ”なんて教えてくれた。覚えている数少ないタイ語のひとつ“コップンカ(ありがとう)!”と言うと、急に空気が和らいでニコニコしてくれた。旅を重ねたおかげ、の一コマでした。
(その②に続く)