アジアのぬるい風に吹かれて

今日もあのへんにいます

2019年のインレー湖と再びのマンダレー②

6時30分。朝食の場所であるホテル屋上から下をのぞくと、野良犬たちが集会中。この街にもいたるところに犬がいるが、面白いことに、お隣タイとは違って一度も吠えてこなかった。“お国柄”ってあるんでしょうか。

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朝市、そして湖へ

手元のミャンマーKyatが残り少なくなったので、銀行でUSドルを両替。戻り道をブラブラ歩いていたら、朝市の賑わいに出くわした (^-^)。マーケット好きとしては、なんかトクした気分。

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東南アジアのどこでもそうであるように、ここにもまた豊かな地の恵みが溢れていた。

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こちらは極彩色の買い物バッグ。きれいだね。

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さて、お昼からはボートでインレー湖を探訪だ。

ホテルが呼んでくれたボートドライバーは、何と中学生くらいの男の子と、その助手である小学校高学年(?)くん。

え、この子たちが客を乗せて運転するの…と不安も覚えたけれど、まぁ郷に入っては何とやらってところか。

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これがメインのドライバーボーイで、彼が立っているところは、実は湖の上。“floating garden”と言うんだよ、と教えてくれた。不思議です、草の生えた土がそれごと水に浮かんでいるという…。

ともかく、出発。自分一人で客室独占なので、目の前はこんな光景。

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やがて、人々の住居が見えてくる。現地の子たちは水浴びをエンジョイ中。

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このあたりの住民は、生まれてからずっとこうして湖上に暮らす。学校でも病院でも、何であろうと船を使って行くのだそうだ。うーん、ちと想像を絶する。ただ、小学校低学年っぽい子供が平気でモーターボートを操っている現場を見て、さっきの心配は取り越し苦労だったと知る。つまり、ここでのボートは我々の自転車と変わらないのだ。

1時間ほど航行し、ボートは一軒の家の前で停止。おじゃましますと上がってみれば、おっとそこには首長族!

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美人さんが、すでに何千回もしたであろうカメラ目線の決め顔。

彼女たち(民族名は“カヤン”)については研究が進んでおらず、その歴史やこの装飾の理由など、わかっていないことが多い。文字を持たない民族だからという事情もあるらしい。

住んでいるのはタイ北部とミャンマーのこの地域で、事実上、観光資源化されている。そのことの是非を問う声や人権侵害ではないかとの指摘が以前からある一方、これは文化であって部外者が軽々に判断すべきでないという反論もあるようだ。

なお、正確には首が伸びているわけではなく、金属製コイルによって下顎が縮小し、同時に鎖骨も押し下げられてそう見えている。

この家ではもう一つ、紙づくりの実演も見せてくれた。周辺の樹木を叩いてコネて、濡らして乾かすと紙ができるそうだ。

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叩いている現場。よく笑う娘さんだった。

ボートに戻りさらに進む。

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うーん、気持ちいい。海ではないけど、“大海原”と言いたくなる眺め。ぜいたくな休日であります。そして、

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“Fisherman”を発見。器用に片足漕ぎで漁をするその姿が世界的に有名で、ミャンマーのシンボルの一つともなっている。これを見に欧米からはるばるやって来る観光客も少なくないとか。

誰かの旅ブログで読んだところでは、自分からグイグイ近づいてきてポーズを決める漁師がいて、写真を撮ったところ1,000Kyat要求された、という微笑ましい事例も (^^;)。

このボートツアーはもっといろんなメニューが組まれていて、全部見るなら8時から夕方5時ごろまでかかるらしいが、首長族とFishermanだけで満足したので、ここで止めにして陸に戻った。もちろん、お代はフルに支払います(どの業者でも18,000Kyat=約1,440円)。

作家・開高健のエッセイの一節には、“旅は、少年の心と大人の財布を持って行け”とあります。

ドキドキ!の夜行バス

この日の夜、ニャウンシュエを後にしてマンダレーへ移動。飛行機ではなく、スリーピングバスを選択した。“ミャンマーのVIPバスはすごい”というネット上の評判をたくさん見かけたので話のタネにいいかな、という理由。f:id:red_red_wine:20190322111348j:image

これはバスの外観。内部は写真撮るのを忘れました…スミマセン。

確かにシートはフカフカで、ほぼフラットにまで倒せる。飛行機みたいにモニター付きだし、水やドライブインでの食事も料金に込みだ。メニューは、中華風麺かこのシャン・ヌードルの2択だった。※シャンとは、ミャンマーからタイにかけて暮らすシャン民族のことで、タイの古い国名である“シャム”もこれに由来している。

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が、食事後、とてつもない山道を飛ばし始めた! 日本で言えば箱根や筑波のようなヘアピンカーブの連続が、1時間半以上も続く! 揺られながら、“インレー湖は丘陵地だから、都市部に出るには山から駈け降りることになるわけか”と合点がいったが、それにしたって怖い。

普通、バスってこんな速度でカーブに突っ込まないでしょ。お国柄? ここで事故って車から放り出されたら、周りは密林だからクマとかトラとか出てくるんじゃないの…? 小心者のネガティブ思考全開でこんなことまで考え出す (>_<)。眠気も尿意もどこかへいっちまった。8時に出発していま深夜1時。外灯も人家の気配も皆無な漆黒の闇を、バス“JJ号”はさらに進む。

 

★おまけ 国名について。もともと口語(話し言葉)で「Burma(バーマ)」、書き言葉で「Myanmar(ミャンマー)」と使い分けられていたのが、1989年に統一された。なお、「Burma」をオランダ式に発音したのが「ビルマ」。

 

その③につづく)