アジアのぬるい風に吹かれて

今日もあのへんにいます

2017年のカンポット③

海辺の街ケップへ

カンポット③は番外編。

東南へ車で1時間走ると、海辺の街ケップに着く。

せっかくなので、ここで1泊してから帰るというスケジュールにした(すみません、ちょっと事情があり写真が少なめです)。
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これがケップの海。地元では、“リゾート&カニの産地”として観光客を呼び込むのに懸命なようだ。

実は、飛び込みで切符を買ったバス会社の他の車両が交通事故を起こしたらしく、その余波で冷房の効かない待合室で、実に3時間待ち。ケップ到着も当然3時間遅れ。まぁ、これも含めて旅なのであるが… (^.^)

疲れ切ってしまい、町の散策は後回しで、さっさと予約したホテルに行くことにした。トゥクトゥクで10分、山側へおよそ2km進むと、我が宿泊予定のバンガロー(名は秘す)に到着。

こういう時に自由に行動できるのは、一人旅の強みだ。

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樹木が咲き乱れ、これまでに見たことのない不思議な庭(森と呼ぶべきか)がそこにあった。緑の中に映える赤い花がアクセントとして秀逸。カンボジア流の“造園”?

支配人の「お願い」とは

ただ…。部屋は清潔とは言えず、昆虫の死骸が散乱、照明も故障のまま放置。そんなに宿代をケチったわけでもないのに、うーむ、これはなぁ。

何だか夕食を食べに出るのも億劫になり、ベッドに転がっていたらそのまま朝まで爆睡 ^_^; ケップの街の様子は見れずじまいとなってしまった。

翌朝、フロント付近でウロウロしていたら、スタッフの女の子がコーヒーを淹れてくれた。
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晩メシ抜き、部屋で手持ちのビスケットをかじっただけだったので、コーヒーが泣けるほどうまい!

そこに支配人(=雇われ店長)がやってきて言うには「どうだい? いいホテルだろう。ここはいいぞってことをインターネットのいろんなサイトに日本語で書いてくれないか」。

なるほど、他人のレビューが大きな判断材料になる時代。自分自身もホテル予約の時は一応読むから、支配人の“お願い”は理解できる。

しかしなぁ…、あの部屋…どうしたものか。
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この左側が支配人。話すとナイスガイではある。「俺の時計は完全防水なんだぜ」と、わざわざカップに水を汲み、そこに時計を浸してみせた。カシオだった。

この国は数十年前、非常に不幸な成り行きで、ポル・ポトという狂信的人物の一派によって苛烈な日々を強いられた。その時期の信じがたい虐殺の嵐が、今もいびつな年齢構成に表れているほどだ。ベトナムとの戦争もあった。

当然、観光産業も発展途上。アンコール・ワットという、何もしなくても、毎日、世界中から観光客が来る場所があるだけに、他の土地はなおさら立ち遅れているのかもしれない。

そのあたりの“品質水準”が他国と違うというか、感覚のズレは相当に大きそうで、 ひとまずあいまいに微笑んでおくしかなかった。

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朝9時ごろのケップ・ビーチを写真におさめて、プノンペンに戻ることにした。

カンポット&ケップは、プノンペンから見て南西方向に約150kmの位置。イメージで言うと、海外からいったん東京に着いて、さらに新潟あたりまで足を伸ばす感じかな?

静かでのんびりしていて、メシがうまい。都市の暮らしでストレスにまみれてしまった方にはすごくいいんじゃないでしょうか。 

 

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