アジアのぬるい風に吹かれて

今日もあのへんにいます

2016年のハノイ②

海外に出かけてもあまりにベタな「観光名所」には行く気がおきず、せっかくその土地にいるのに、世界遺産をスルーすることもある。

「元を取らなきゃ」主義の人から見たら信じられないかもしれない(そういう発想の旅が、そもそも好きになれないのだが)。

事前に YouTube で誰かの動画を見て自分も行った気になってしまうせいだろうか? まぁ、ひたすら街歩き、夕方からビールで“沈没”というスタイルが最も合っているようなので仕方ない。

築114年の橋

でも、今回のハノイではぜひ行ってみたい場所があった。それは、ロンビエン橋。

ガイドブックにも載ってはいるものの、さほど人気があるとは思えないわけだが、自分的にはなぜか気になる。場所はこちら(二本の橋のうち上のほう)。

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                 ©OpenStreetMap contributors

この橋はフランス統治時代に、首都ハノイとハイフォン(北東部の港湾都市)を結ぶ目的で架けられ、ベトナム戦争で米軍のたび重なる爆撃を受けたものの生き残ったという代物。

そのしぶとさがまさにベトナムっぽい。世界一の軍事力を持つ相手に負けなかった“誇り、シンボル”というわけだ。ただ、すでに築100年!を過ぎており、老朽化が著しいため、今は四輪車の通行は禁止だそうだ。

朝、ホアンキエム湖そばから15分ほどのんびりと歩く。大通りから脇道に入り、坂を登って駅舎に出たら正解。右に見えてくるのがロンビエン橋だ。
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うん、いい感じ。青空と“錆びた橋”のコンビネーションが絶妙。

ハイフォン側から出勤してくる人たちのバイクが引っ切りなし。今日もハノイの1日がこうして始まる、と。
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見下ろすとこんな眺めで、大都市ハノイがそこに広がっている。

実は高所恐怖症なうえに、歩行者用通路は古びた薄い鉄板1枚きり。そこそこ怖かったんで、50メートルくらいで引き帰したことを白状しておこう^^;

えっ、その色? 

続いてドンスアン市場の付近までブラブラ歩いてみるが、まだマーケットが賑わう時間帯でもないため、ここは素通り。
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街の一角で、中国風の彫像(?)を女性が塗り直していた。

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昔の武将だろうか…いつの時代のどんな人物を表しているのか、教養のない身にはさっぱりわからないのだが、それにしても顔や手をわざわざピンクに塗り直すという美的感覚には少々驚く。

日本では、この色を塗る発想はまず出てこないように思う。こういう発見も異国を歩く面白さだ。

もっともベトナム北部は、なんと1000年の長きに渡って中国の支配下にあったという。だから、文化の混ざり方も、こちらの想像の及ばないレベルではあるのだろう。

ハノイの魅力とは

この街は首都であるが、その中心は旧市街~ホアンキエム湖の比較的コンパクトなエリアで、そこを離れなければ迷う心配もなさそう。ということで、ほとんど地図も見ず、気の向くまま歩き回ってみた。写真だけ、何枚か貼っておこう。

古さと新しさ、都会と田舎、聖と俗、そして貧と富の入り混じる混沌。それこそがハノイの魅力である。

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これはホテルの食堂で毎朝オムレツを焼いてくれた女の子。近所の高校生がバイトでやっているらしい。

ハノイは人口や経済力でホーチミンに劣る。政治の都=ハノイ、商業の都=ホーチミンと色分けして見ることもできそうだ。

街中の商店や路上の物売りも、ハノイはちょっと“すましている”というか、ホーチミンほど「買え、買え」としつこくはない。このあたり、東京と大阪、あるいは北京と上海の関係を思わせて興味深い。

そういえば、「ホーチミンの連中はずっと夏だが、こっちには四季 'seasons' ってものがあるんだ」とタクシードライバーが話していて、その対抗意識のようなものには驚いた。

東南アジアの中でも今のベトナムは、国民の年収が(少しずつでも)毎年上がってるんだろうなという感じが伝わってくる。そのあたりの「温度」「熱量」が、明らかに日本とは違う。もちろん、いろんな課題を抱えているのだろうとは思うが…。

日本と違うと言えばもう一つ。基本的に男が怠け者なんだよね~ (^'^)  

ちょっと路地に入って商店の裏をのぞくと、女性たちが忙しそうにしているのに、男どもは昼寝か、だらだらとスマホ。この“本気出してない”感は何なのだろう? 謎だ。

ともかく、こんなふうに、またしてもほぼ無予定でのんびり過ごせた3日間であった。

 

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